ラウラスの場合

GM:これは今よりも前、友人がいつも傍にいた頃の記憶。

GM:ここは夜の世界。日が昇ることのない不夜城。

GM:情報屋のラウラスは同じ情報屋仲間のイルマと食堂にいた。

GM:食堂じゃなくて屋台で!

ラウラス:

はーいw

GM:暗い場所で仄明るい明かりを灯す屋台で二人は食事を取っています

GM:二人は調べた情報を共有してますね。

ラウラス:

ふむふむ

イルマ:

「うーん、私の方はあんまりいい情報が聞けなかったなあ」

ラウラス:

「私もだなぁ、今日は渋かったねー」ご飯を少しずつつまんでいる

ラウラス:

「もっとすごーい情報屋になるためには、仕入れる方法とか...あるのかなぁ」

イルマ:

「どうなんだろう……帽子を持つとか……?でも難しいよね」

イルマ:

「それに私、帽子の力を使うより自分の力で成し遂げるほうが好きだな」

ラウラス:

「うん、私もそう思う。自分の力だけの方がこう...」

ラウラス:

「自分でやった!って感じするもんね!」

イルマ:

「うんうん!そうだよね」

イルマ:

「ラウラスちゃんは私より情報集めるの上手いから、ちょっと憧れちゃう」

ラウラス:

「えー、そう?私はイルマの方がすごいと思うけどなぁ...」

ラウラス:

「私、信用出来ない雰囲気出てるみたいでさ、初対面の人だとちょっと警戒されたりしちゃうし...」

イルマ:

「私は人に話しかけるの苦手なんだ……」

GM:実際のところ、イルマはラウラスよりも情報を集めるのが下手です。

ラウラス:

ふむふむ

GM:臨機応変にできなくて色々と効率が悪い。どんくさいのだ。

ラウラス:

「あ~...話しかけるのかぁ...イルマ、確かにちょっとおどおどしてる感じするもんね」

イルマ:

「う、うん……」

ラウラス:

「そこが可愛いんだけど~!うりうり」と肩をつんつん

イルマ:

「や、ちょっと……やめて~」

ラウラス:

「ふふ~」

イルマ:

「私もラウラスちゃんみたいになりたいなあ」

イルマ:

「もっと明るくて……うん」

ラウラス:

「うーん、私は今のイルマが好きだけどなぁ...」

ラウラス:

「でもお話苦手なのは最高の情報屋になるためには避けて通れぬ道...って気もするし」

ラウラス:

「今度一緒に練習する?」

イルマ:

「そうだよね。情報屋に向いてない性格なのはちょっと自覚してる……」

イルマ:

「練習、してみたいな」

ラウラス:

「よぉ~し、じゃあ食べ終わったら早速練習しにいこう!」急

イルマ:

「うん!」


GM:そんな感じで、二人は一緒に調査に出掛けます

ラウラス:

その時の調査でもラウラスは話せるけど、イルマはやっぱり上手く話せなかった。みたいな感じかな?

GM:ですね。ラウラスはガンガン聞き込みが出来ます

GM:そういう訳で路地裏の人が多めの通りを二人は歩きます

ラウラス:

ふむふむ

GM:ラウラスはその辺にいる人を捕まえて自由に聞き込みが出来ます

ラウラス:

「お兄さん、ちょっと聞きたい事あるんだけど、噂で~~~って事あるじゃない?それについて~~~~」って感じで聞き込み

GM:今回はララという人物についての調査になりますが、シナリオには全く一切関係ありません

ラウラス:

了解です

GM:適当に捏造してください!

ラウラス:

おk、生やします

お兄さん:「お?なんだい?」

イルマ:

「……」ラウラスの後ろに隠れている

ラウラス:

「この前あった、誤ナンパ事件...」

ラウラス:

「女の子と見間違えたヤンキーが、女の子みたいな男の子を訴訟したっていうやつについてなんだけど」

ラウラス:

「その男の子がララって名前なのは分かったんだけどさ、どこにいるのかな~~って思って。名前とか、聞き覚えとか、ない?ない?」

お兄さん:「ララ?ああ~もしかしてあの店で働いてるやつかな?源氏名がそんなんだった気がするぜ」

お兄さん:「そういう店なんだよな、あそこ」

ラウラス:

「お。お兄さん物知り~~~」

ラウラス:

「そういうお店って、どういうお店?」

お兄さん:「君たちにはちょっと早いかもな~ハハハ」

ラウラス:

「む。早いとはなんだよ~」

お兄さん:「大人のお店ってことさ。君たちじゃ入れないよ」

ラウラス:

「お、大人のお店...」

お兄さん:「でも、あの店ちょっと行きたかったんだよな。ついでだから俺についてくる?」

ラウラス:

「ほんと!?いやぁ、お兄さんってばやっさし~!」

お兄さん:「かわいい二人と一緒に歩けるだけでお兄さん嬉しいからなーハハハ」

ラウラス:

「イルマ、行こ!未成年が大人の情報を手に入れるチャンスだよ...!」ワクワクした目

イルマ:

「あ、うん……ラウラスちゃんすごい」

ラウラス:

「えっへぇ、かわいいなんてお兄さんも口が上手いなぁ~~~」てれってれ

ラウラス:

「ふっふー、ラウラスちゃんにかかればこんなもんですよ!」むふー

イルマ:

「私何にも出来なかった……」

ラウラス:

「ちょっとずつ上手くなればいいんだよ、ちょっとずつで!」

ラウラス:

「イルマにはイルマのペースがあるもんね~」頭なでなで

イルマ:

「そうだよね……うん。がんばってみるね。ありがと」

ラウラス:

「うむうむ。さ、いこいこ~」

イルマ:

「あ~待って~!」


GM:そんな感じで二人は過ごしていました。

GM:そして、いくつかの事件の情報を集めているうちに二人は次第に有名になっていきます。

GM:ですが、その名声は概ねラウラスが持ってきた情報によるもの。知名度もラウラスのほうが少し上でした。

ラウラス:

悲しいな...

GM:ラウラスはそれに自覚があってもいいし無自覚でもいい

ラウラス:

自覚はあるけど、無視してる感じかな

GM:おk

GM:では今日は大きな事件の解決が出来た日です。お祝いムードですね

ラウラス:

ふむふむ

GM:屋台ではなく少し豪華なレストランで二人は食事をしています

ラウラス:

おー

ラウラス:

なら、相応のいつもとはちょっと違って上品な所作でお食事していよう...

イルマ:

「はー解決できてよかったね」

ラウラス:

「だね~...」

イルマ:

「なんにせよ、お疲れ様」

ラウラス:

「お疲れ様~~~」

イルマ:

「乾杯しよっか」

ラウラス:

「うん!かんぱ~い!」

イルマ:

「かんぱーい」

ラウラス:

「まさか、大富豪の夫婦が共に浮気をしていて、互いに浮気調査を出しているとは...」

イルマ:

「浮気調査って大変だよね……」

ラウラス:

「だね...」

ラウラス:

「浮気相手も浮気してるなんて思わないジャン」

イルマ:

「ラウラスちゃんはまっさきに動くからついていくので精一杯だったよ」

ラウラス:

「えへへ~」

ラウラス:

「でもイルマだって追い付けてるじゃん。何回か危ないところあったけどそのたびに助けてもらったし」

ラウラス:

「すっかりイルマに甘えるようになっちゃったよー」

イルマ:

「そんな、私なんて……」

イルマ:

「やっぱりラウラスちゃんは私の憧れだよ」

ラウラス:

「そう~~~?イルマに言われると嬉しいなぁ~」てれってれ

イルマ:

「あのさ」

イルマ:

「ラウラスちゃんは帽子持とうと思ったことある?」

ラウラス:

「んー...まぁ、何回かはあるかなぁ...」

イルマ:

「あるんだ」

ラウラス:

「うん。上手くいかない時はさ、やっぱり落ち込むし」

ラウラス:

「それで、帽子の力さえあれば私だってもっとできる!って、思う事は何回かあったよ」

ラウラス:

「でも隣で一生懸命頑張ってるイルマがいたから、”自分の力”で頑張ろうって思い出してやってこれたかな」

イルマ:

「そ、そっか……ラウラスちゃん頑張ってるもんね」

ラウラス:

「イルマだって頑張ってるじゃん~?」

イルマ:

「そうだね。頑張ってる、と思う。でも自分の力を信じられるってすごいな」

イルマ:

「私は不安で不安で仕方ないよ」

ラウラス:

「不安かぁ...(確かにそういう所はあるだろうしなぁ...なんて言ってあげよう)」

ラウラス:

「イルマは、帽子欲しい...って、思うの?」

イルマ:

「えっ? あ、いや……別にそんなことないよ」

イルマ:

「帽子なしでも今まで頑張ってこれたし……」

イルマ:

「……」

ラウラス:

「...イルマ?」

イルマ:

「ご、ごめん。今日は事件解決のお祝いしないとだよね」

イルマ:

「報酬もいっぱい入ったから高いやつ食べようよ……!」

ラウラス:

「...うん、そうしよ!」

ラウラス:

「せっかくだもんねー、湿っぽい話じゃなくて、お祝いお祝い!」

イルマ:

「うん!」


GM:そうして過ごしていた二人でしたが、ある日イルマは姿を消します。

GM:その間、ラウラスはどうしてますかね?

ラウラス:

イルマだけを探してます

GM:では、ラウラスの調査力でもイルマは探し出せませんでした。

GM:ラウラスよりは劣ると言っても情報屋です。

GM:自分の足取りを消すくらいのことは出来たのでしょう

ラウラス:

「かくれんぼなら負けでいいから早く出て来てよ...」

GM:では、しばらくイルマを探していたラウラスの元に

GM:再び彼女が姿を表します

ラウラス:

ふむ

GM:再会はあなた達がよく行っていた屋台が並ぶ路地です

ラウラス:

「.........」全然見つからずに落ち込んでいる所

イルマ:

「……ラウラスちゃん」伏し目がちにラウラスの前に現れる

ラウラス:

「...!イルマ?イルマなの!?どこいってたのよばかーーー!!!」といって抱き着く

ラウラス:

「こんなに長く離れるなら言ってよー!」

イルマ:

「ごめんね」抱きとめます

イルマ:

「ごめん」

ラウラス:

「むー...どうしよっかなー、許してあげよっかなー」

GM:ラウラスが見上げると、イルマには目の付いた帽子がありますね

ラウラス:

「...あれ?その帽子どうしたの?買ったの?」目に気が付いてしまったけど、気が付きたくない

イルマ:

「そうじゃないよ」

イルマ:

「ごめんね、ラウラスちゃん」

ラウラス:

「......」

イルマ:

「私、やっぱりどうしてもあなたに……ごめん。本当にごめん」

イルマ:

「もっと私が強かったらよかったといつも思ってた」

ラウラス:

「...で、も」

ラウラス:

「......」

イルマ:

「私は……どうやったってあなたには勝てない……」

ラウラス:

「そんなことないよ!!!」

ラウラス:

「イルマは、イルマは、私はイルマに勝てない」

ラウラス:

「だからどっちがすごいかなんて、気にしなくていい、のに」

ラウラス:

「...」

イルマ:

「私許せなかった。あなたのことも、私自身も」

ラウラス:

「私、イルマに何かしちゃってた...?」

イルマ:

「ラウラスちゃんだけがいっつもキラキラして見えたの」

イルマ:

「私はずっと影に隠れて……でもそんなのラウラスちゃんにはわからないよね」

ラウラス:

「......」

イルマ:

「ごめんね。もう一緒にはいられないや」

ラウラス:

「ま、待ってよ」

イルマ:

「私、スカウトされちゃったんだ」

ラウラス:

「スカウト...?」

イルマ:

「リベレイターってところなの」

イルマ:

「私の力がほしいって言われた」

ラウラス:

「やだ、いかないで...っ」

ラウラス:

「いかないでよ!二人でいようよ!」

ラウラス:

「私もう寂しい思いするのやだよ!」

イルマ:

「私は帽子を持ってしまったから。自分の力でがんばるラウラスちゃんの隣にはもういられないよ」

ラウラス:

「それでも...それで...も...それは...」約束と自分の感情で言葉が止まる

イルマ:

「さよなら、ラウラスちゃん。今までありがとう」

イルマ:

「楽しかったよ」

ラウラス:

「っ!だめ!やだ!置いてかないで!」

イルマ:

「……」

GM:イルマはラウラスに背中を向けて去っていきます

ラウラス:

追いかける

GM:追いかけますが、人ごみに紛れてイルマを見つけることが出来ません

ラウラス:

「ど、こ...どこいったの...」

GM:イルマの姿は雑踏の一部に消えます

ラウラス:

「約束、破って、また私を置いてって...」半泣きだったのが決壊して泣き出す

ラウラス:

「怒るくらい、させてくれてもいい...のに...」

ラウラス:

「二人で最高の情報屋になるって、いったのに!」

ラウラス:

「独りにしないでよ...」

ラウラス:

「イルマの裏切り者...」

GM:これは今よりも前、友人がいつも傍にいた頃の記憶。

ノワールの場合

GM:これは今よりも前、帽子を持っていなかった頃の記憶。

GM:ノワールは姉のブランと共にある世界で過ごしていました。

GM:何して過ごしてる感じかな

ノワール:

うーん、中学生くらいだと思うんで…学校ある世界なら学校に行ってるかもしれないです

GM:学校か……うーん

ノワール:

二人が一緒にいそうってことなら学校か家かなと思いまして

GM:では家にいることにしましょう

GM:料理でもしましょうか

ノワール:

りょです

ノワール:

どうしよう、何作ろうかな

ノワール:

「砂糖大匙1…?大さじってなんだっけ…」

ノワール:

レシピ本を見つつ首を傾げます プリンを作ろうとしている

GM:じゃあ二人は家でそれぞれデザートを作ってますね

ブラン:

「えーそんなの目分量でよくない?」

ノワール:

「失敗したら嫌じゃん。てか、なんでブランもこっちきてるの」

ブラン:

「いいじゃん。私もお菓子作りたかったしー」ノワールのボウルに目分量で絶妙な量の砂糖を入れる

ノワール:

「ちょ、やめてよ!」

ブラン:

「ほら、こんくらいでオッケーオッケー」

ノワール:

「なんで、いつもそんなテキトーなの? はあ…」

ノワール:

諦めて次の部分を見る まぜるっぽいので混ぜるアレを持ってくる

ブラン:

「適当でいいんだよ~。大体なんとかなるから」

ノワール:

「それでなんとかなるブランはいいけどさ」

GM:実際ブランは適当にやって大体上手く行く

ノワール:

頑張ってもブランと比べられてうまくいかないノワール

ブラン:

「ノワールはいっつもレシピとかマニュアル見ないと行動できないよね」

ブラン:

「もっと自由にやればいいじゃん」

ノワール:

「ブランが適当すぎるの! 私がブランみたいにやったら、馬鹿にされるだけだよ」

ブラン:

「確かにそうか~!あんた鈍くさいもんねーあははは!」

ノワール:

「…もういい。続き、ブランが作れば? きっと、私が作るより美味しくなるでしょ」

ノワール:

器具を置きっぱなしにしてその場を立ち去ろうとする

ブラン:

「拗ねないでよ。可愛くないな」

ブラン:

「いいよー私がめっちゃ美味しいプリンを作っちゃうから」

GM:プリン作りを引き継ぐので追いかけませんね。

ノワール:

(それで、ブランはすごいねって、みんなに褒められるんだろうな……)

ノワール:

SNSに写真あげてそう ブランをブロックしている

GM:www

ノワール:

「早く帽子が欲しいのに」 部屋でつぶやきます

GM:しばらくすると部屋にブランがやってきます。

ノワール:

ノックなし?

ブラン:

「ほら見てノワール~~~!このプリン超絶かわいいーーー!!」

ノワール:

「は、ちょっとブランうるさい」

GM:ノック無しでプリン持ってきます

ノワール:

仕方なくプリンを見る

ノワール:

パティシエみたいに上手い 美味しそう

ノワール:

「…そうだね」

ノワール:

「誰かにあげるの? ブラン、好きでしょお菓子配るの」

ブラン:

「生モノだし写真撮ってシェアするよ」

ブラン:

「これはノワールにあげる」

ブラン:

「一緒に食べよう」

ノワール:

そういえば今回焼き菓子ではなかった

ノワール:

「……私、作ってないし」

ノワール:

「私なんかと一緒に食べても美味しくないでしょ」

ブラン:

「めっちゃ卑屈になってんのウケる」

ノワール:

「仕方ないじゃん……」

ノワール:

プリン一個とる

ブラン:

「味も美味しいよー。なんせ私が作ったからね」

ノワール:

「そうなんだろうね。ブランだもん」

ノワール:

食べる 美味しい イラつく

ブラン:

「なによ、美味しい顔しなさいよ」

ブラン:

「そんなんだから陰キャとか言われるんだよ」

ノワール:

「うっさい陽キャ」

ノワール:

「美味しい、けどさ」

ブラン:

「そ言えばノワールって帽子ほしいんだっけ?」

ノワール:

「……なんで知ってるの?!」

ノワール:

ブランには隠してたつもり

ブラン:

「なんかよくブツブツ言ってるし」

ブラン:

「もしかしたら……?って」

ブラン:

「図星だったか」

ノワール:

「なに、無理って思う?」

ノワール:

「欲しいよ帽子! だって、帽子あったら強くなれるもん」

ブラン:

「頑張れば誰でも管理人になれるんじゃない?」

ブラン:

「ノワールは頑張ってるのか知らないけど」

ノワール:

「頑張ってるもん! ブランは頑張らなくてもなんでもうまくいくからわかんないだろうけど!」

ノワール:

「私、ブランと一緒にいたくないの。帽子があったら、一人で暮らせるし、友達だってできるはず」

ブラン:

「私といたくないから帽子欲しいの?なにそれ」

ブラン:

「普通もっとちゃんとした目的があると思うんですけどーあはは」

ノワール:

「知ってるよ……そんなの」

ノワール:

「エイダみたいに平和とか言えるほど偉くないし、ルージュみたいに立派じゃないし」

ノワール:

「でも欲しいもん……何もできないままじゃやだ」

ブラン:

「じゃあさ。私と競争しようよ」

ノワール:

「競争?」

ブラン:

「どっちが帽子早く持てるか!」

ノワール:

「ブランと……?」

ブラン:

「あんた見てるとウジウジしててたまにイラッとくんの。私が発破かけないとどうせやる気にならないでしょ?」

ノワール:

ブランにいつでも負けてきたから今度だって負けるだろうって思ってる

ノワール:

「イラっとくるとかお互い様だよ! ブランだって、そんな適当な理由で帽子が欲しいんでしょ?」

ノワール:

「帽子がなくてもうまくやっていけるくせに」

ブラン:

「そうだよ。私はいつも適当でなんとかなるからね」

ノワール:

イラついたので帽子絶対先にとりたいモードになる

ノワール:

「絶対、私の方が先に帽子もらうから。適当でなんとかなるなんて言わせない……」

ブラン:

「あはは。お姉ちゃんに勝てるかな?」絶対に負けないと思っている顔だ

ノワール:

「勝つもん、今回こそは」

ブラン:

「よしよし。じゃあ私は早速行動に移そうかな」

ブラン:

「あんたもそこでじっとしてないでちゃんと動きなよ~」部屋を出ていきます。食器を持って

ノワール:

「プリン、途中で放置してごめん。美味しかった」

ノワール:

めちゃくちゃ小声で言います


GM:では次の日。ノワールは早速帽子を得るために行動しています。

ノワール:

帽子持ちにきく勇気はないから本とかSNSで調べるかなあ

ノワール:

アバターがよく使ってるSNS的な何かを調べるみたいな

GM:では帽子を持ってない友人と一緒に図書館に来ています

エイダ:「ノワール、どうしたの?図書館なんかに……」

ノワール:

エイダには言っていいだろうと判断していう。「帽子、あるじゃん。帽子が欲しくて……私管理人になりたいの」

エイダ:「あー管理人……。私も一応管理人志望だけど……大変そう」

ノワール:

「そう、だよね。みんなすごい人たちなのに、それでも大変そうだし」

ノワール:

「でも欲しくて……。帽子がどうやってもらえるかとか、本に書いてないかなって」

エイダ:「作りたい世界について勉強しないといけないみたいだよ」

エイダ:「あと、帽子がもらえる場所があるとか噂で聞いたけど……多分嘘だと思う」

ノワール:

「作りたい世界、かあ……。エイダはさ、どんな世界が作りたいって思う?」

エイダ:「えーやっぱ平和かなあ。平和最高だもん」

ノワール:

「平和って、壮大だよね。でも、エイダらしいかも」

エイダ:「ノワールは?」

ノワール:

自分はどんな世界が作りたいのか考える

ノワール:

頭に浮かぶのはブランです。ブランは自分がイラつくことはやめさせるしつまんなかったらやめさせるので、なんかゴタゴタを鎮めたことがある

ノワール:

「誰かを助けられる世界、かな」

ノワール:

「困ってる人を見捨てなくて、でも威張ったりとかはしないの。静かに優しく包んでくれるみたいな」

エイダ:「おーいいじゃん。かっこいい」

ノワール:

「そうなのかな。エイダみたいにちゃんと決まってるわけじゃないんだよ? 昨日も、ブランにしょうもない理由で管理人になりたがってるって言われちゃった」

エイダ:「ブランさんに?へえ」

エイダ:「そいやブランさんも帽子持ってなかったよね。あの人頭いいのに持ってないほうが不思議だなーって思ってたけど……」

GM:エイダは二人の事情を知らない

ノワール:

「うん。そうだよ、ブランは帽子持ってないのに強いしなんでもできるし」

エイダ:「そっかー強くてなんでもできれば帽子もいらないってかー。でもそしたら帽子持ったらもっと最強じゃない?やば」

ノワール:

「……」 ちょっと黙り込む

ノワール:

「私もそう思う。ブランが帽子を持ったら、きっと管理人の中でもトップレベルになる」

ノワール:

「ブランに、帽子なんか必要ないよ」

ノワール:

つぶやきます


GM:ではそれからしばらく経った頃

GM:ノワールは未だに帽子を持てないでいます

ノワール:

はい

GM:その間にも姉妹の間には諍いがありましたが、ブランはいつもの調子で過ごしていました

GM:ノワールはどんな気持ちでいるのだろう

ノワール:

うーーーん まだブランは帽子持ってないですよね?

GM:まだですね

ノワール:

自分は帽子持ちたくて焦ってるのに、競争とか言い出したブランは普通に振る舞ってる

ノワール:

(早く、帽子を持たなきゃ。ブランが余裕ぶってる間に……!)

ノワール:

ブランは友達と遊び回ってますが、ノワールはアニメやゲームすらあまりやらなくなり情報を集め始めています

GM:OK

GM:ではそんなとき、ブランがノックなしであなたの部屋に入ってきます

ブラン:

「じゃじゃーーーーん!!」バーン!

ノワール:

「な。何?!」

ノワール:

驚いて見つめる

ブラン:

「見てみてホラこれ!!」ブランはいつもしている髪留めを指差す

ノワール:

見つめます 目が見えるのかな?

GM:よく見ると目がギョロついている

ノワール:

「ブラン、それ……」

ノワール:

「どうして…」

ブラン:

「ははは!私の勝ちだね!!」

ブラン:

「やっぱあんたなんか相手にならないわ」

ブラン:

「余裕」

ノワール:

「なんで、ブランが? 何も、してなかったじゃん……」

ノワール:

その頃はフード付きパーカーを着ていましたがフードを触っても何も変わりはない

ノワール:

「いつもそう! 私がいくらやってもブランに追いつけない!」

ブラン:

「何もしてないように見えるのがあんたの鈍くさいところだよ」

ブラン:

「私はちゃーんと努力してるの」

ノワール:

「努力? そんなの、私だってしてるのに、みんな私が何もしてないみたいに言う」

ノワール:

「なんでブランにできることが私にできないの? なんでブランは帽子もらえたのにわたしはもらえないの?」

ブラン:

「そんなの簡単だよ。私が頑張ったからに決まってんじゃん」事も無げに言う

ブラン:

「頑張った人には平等に結果が訪れるもんなんだよ」

ノワール:

「もう、どう頑張っていいかわかんないもん…」

ブラン:

「じゃあ頑張りが足りないんじゃない?もっと効率的にやりなよ」

ノワール:

「ブランみたいに?」

ブラン:

「そうだよ。あんたも頑張りなよ」これは皮肉だ

ノワール:

「……わかった。もう、いいでしょ。さっさと出てって。自分の世界にでもいけば?」

ブラン:

「それもそうだね。あんたも私と一緒にいたくないみたいだし」

ブラン:

「ていうか、お姉ちゃんさっそくお声がかかっちゃったよ」

ブラン:

「スカウトされちゃった」

ノワール:

「スカウト? またモデルとか?」

ブラン:

「違う違う。帽子の力を十全に発揮して役に立てる場所だよ」

ブラン:

「リベレイターっていうところ」

ノワール:

「リベレイター……」

ブラン:

「そうだ!あんたも帽子持ったら一緒にやろうよ」

ブラン:

「入れるように私から推薦してあげるから」

ノワール:

「絶対嫌!」

ノワール:

「ブランのいるとこに、ブランのお情けで、入ってまたブランの何もできない妹扱いされるの?」

ブラン:

「……お情けでたまにいい思いしてたんじゃないの?あは」

ノワール:

「……そうだよ……。みんな、ブランがお姉ちゃんでいいねって言うもん」

ノワール:

「でも。ブランなんか、もうお姉ちゃんじゃないから!もうさっさとそのリベレイターとかなんとかに行ってよ、ブランだったらきっとうまくいくでしょ、今までみたいに!」

ブラン:

「言われなくても私はこれからもずっと今まで通りだよ、ノワール」

ブラン:

「じゃあね。元気でやるんだよ」

ノワール:

じゃあその言葉に何も返さず俯いたまま出ていくのを待ちます

GM:ブランは部屋を出ます。そして自分の世界に向かいました。

ノワール:

(本当に出ていっちゃうんだ……) プリンを一緒に作ってたリビングとか、椅子が二個あったりするんですけど、多分今夜からは一人なんだろうなと思います

GM:あんな姉でも傍にいれば賑やかだった。その音は、もうない。

ノワール:

しばらく孤独に過ごし、いつか帽子を手に入れる日が来るでしょう

ノワール:

その家にはもう住みたくありません

ノワール:

ので帽子を手に入れ次第家から何も持ち出さず自分の世界に爆走する感じで

GM:ノワールは一人家を出てそして帽子を持つに至ります。姉よりもずっと遅れて。

GM:これは今よりも前、帽子を持っていなかった頃の記憶。

ミチルの場合

GM:これは今よりも前なのかもしれない、曖昧な記憶。

GM:ミチルは夢を見ていた。いつも見る夢だ。もしかしたらこれは過去の記憶なのかもしれない。

GM:というわけでミチルはいろんな世界を散歩して渡り歩いています。

GM:ある日ミチルは行ったことのない場所に赴くと

GM:見たことのない世界にたどり着きます

GM:ちなみに風景なんかはぼんやりしていてわかりません。

GM:てことで、ミチルは散歩で新しい世界を発見しました

ミチル:

「おや?なんだか知らないところに来てしまいましたね~?」

ミチル:

「でもこれもお散歩の醍醐味!知らない場所で紡がれる人やデコイ達の暮らしを思い描くのも楽しいんですよね~」

GM:なお周囲には何もない。青く滲んだ風景が広がるだけだ。

GM:ちょうどこの背景のようにな!!

ミチル:

「それにしてもなんだか不思議な世界ですね~?ここには誰も居ないんでしょうか」

GM:ミチルの声は誰にも届かないみたいです。

GM:この世界を探検してもいいし、留まってもいい

ミチル:

人が居ようが居まいがとりあえず歩きまわってそう

GM:ではミチルが歩き回ると、人影を見つけます

ミチル:

「あんなところに人影が?知らない人との出会いもお散歩ですね!」

ミチル:

笑顔で小走りしながら人影に近づいていく

ミチル:

「こんにちは、この世界の管理人さんですか~?私ミチルって言います~」

???:

「わ!びっくりした」

???:

「この世界に人が来るなんて……あなたどうやって入ったの?」

GM:ミチルよりも年上の女性です

ミチル:

「お散歩してたらいつの間にか来ていました~」

???:

「お散歩……?すごいわね」

???:

「えーと、ミチルさんでしたっけ」

ミチル:

「はい!そういえばお姉さんのお名前聞いていませんでしたね~」

???:

「私は……えっと……リナって呼んでほしいかな」

GM:少し言いよどみます。

ミチル:

「リナさんですね!ここで何をしてらしたんですか~?」

???:

「私、この世界の管理人なの」

???:

「今はデコイの調整をしてたところなのよ」

???:

「でもいっつも一人だからちょっと退屈で」

ミチル:

「それなら、気分転換に一緒にお散歩でもしませんか~?適度な運動は脳を活性化させると偉い人が言っていました!」

???:

「お散歩!いいわね。でも私はこの世界から離れられないから」

???:

「この世界を散歩しましょう。なんにもないけどね」

ミチル:

「なんにもない景色も良いものですよ~特にここはどこまでも青く澄んでいてお散歩しがいがありますし~」

???:

「ほんと?殺風景かなって思ってたからうれしい」

GM:そんな感じで二人で歩きながら話をしますね

???:

「ねえミチルちゃん。あなたはやっぱり散歩が好きなの?」

ミチル:

「もちろん!私、散歩の世界の管理人なのでいつも色んなところをお散歩してるんです~」

???:

「そっかーじゃあいろんな世界を知ってるのね」

ミチル:

「はい!世界の数だけ、いえ、それ以上のお散歩が私を待っているので!」

ミチル:

「リナさんは何か好きなことはありますか~?」

???:

「私?うーん、お茶を飲むのが好きかな?誰もいなから一人でのんびりしてるの」

???:

「そうだ、お茶をご馳走しましょう!」

???:

「二人でお茶なんて素敵だわ」

ミチル:

「いいですね!お散歩にお茶とお菓子はつきものです~」

???:

「ふふ、ミチルちゃん見てるとなんだか楽しいな」

ミチル:

「私もリナさんとお散歩できてとっても楽しいです~」

???:

「ありがと。よかったらまた遊びに来てほしいな」

ミチル:

「はい!また一緒にお散歩しましょう!」


GM:ではミチルは再びリナの世界に訪れます。

???:

「ミチルちゃん!待ってたわ!」

ミチル:

「リナさん!遊びに来ました~」

GM:リナはお茶のテーブルにミチルを招く

ミチル:

「おや?そちらの方はお友達ですか~?」

???:

「ふふ、この子デコイなの」

ココナ:

「はじめまして。ココナと申します」礼をする

ミチル:

「はじめまして!ミチルと言います~」

???:

「まだまだ調整段階なんだけど、私以外の人とお話したほうがいい影響が出るかなって」

???:

「ミチルちゃんとお話して一緒に散歩すればきっと楽しいってことを覚えてくれると思うの」

ミチル:

「それはいいですね!みんなで一緒にお散歩しましょ~」

GM:では3人で並んで散歩する

ココナ:

「……何故散歩なのでしょうか」

ミチル:

「適度な運動は脳を活性化させるんですって偉い人が言ってました!」

ミチル:

「それにいろんな景色を見てそこでの暮らしに思いを馳せたり、ぼんやり眺めながら考え事をしたり...お散歩と言っても、人それぞれの楽しみ方があるんです!」

ミチル:

「ココナちゃんは何か好きなものや気になることはありますか~?」

ココナ:

「私は……よくわかりません。ですがミチルさんの言うことには一定の理解を示します」

ココナ:

「考え事をするというのは、想像して楽しむという意味合いもあるのですね」

ココナ:

「私もそうやって楽しみを増やしていきたい」

???:

「この子まだ何にも知らないのよね」

ミチル:

「なら、これから楽しいことをたくさん知れるってことですね!」

ココナ:

「これから……」

ココナ:

「そうか。私には「これから」があるのですね」

ココナ:

「ミチルさんの言う楽しいことを私はもっと知れる……」

???:

「そうそう。世界は楽しいことでいっぱいなのよ~」

ミチル:

「そうですよ~ た と え ば~?お散歩の後のティータイム!」

ミチル:

「今日はココナちゃんも一緒にお茶を楽しみましょ~」

ココナ:

「ええ、了解しました。とても楽しみです」

???:

「やっぱりミチルちゃんと一緒にいると楽しいわね。ココナも楽しそうでよかったわ」


GM:散歩後のティータイム。3人はテーブルを囲んでお茶をしています

???:

「お茶会って感じね。うふふ」

ココナ:

「これがお茶会……」

ミチル:

「お散歩の後に皆でいただくお茶は美味しいですね~」

???:

「そういえばミチルちゃんてなんで散歩してるの?」

???:

「管理人になるくらい散歩が好きってことよね」

ミチル:

「そうですね~お散歩していたらいつの間にか管理人になっていました~」

ミチル:

「お散歩をしていると幸せなような、懐かしいような、でもちょっと寂しいような不思議な気持ちになるんです~」

???:

「……懐かしい?なにかあったの?」

ミチル:

「それが私にもよく分からないんです...なので、その理由を探してお散歩をしているようなところもありますね~」

???:

「なるほどなるほど」

ミチル:

「でもそのおかげでリナさんやココナちゃんみたいな素敵な人達に巡り会えるんです!まさに一石二鳥、飛ぶ鳥を落とす勢い!」

GM:ではここでミチルは少しだけ、リナが何か幸せで懐かしい記憶を思い起こす存在だと気づきます

GM:それは意識できるレベルでもいいし、無意識になんとなくそう思ってもいい

ミチル:

感覚的なものだから本人は明確に結びつけては居ないけど好意的に思ってるかなぁ

GM:では口にだすようなレベルじゃない感じですね

ミチル:

うぃ

???:

「私もミチルちゃんと出会えてすごく嬉しい」

???:

「あなたの元気な姿を見るとなんだか嬉しくなっちゃうの。変かな?」

ミチル:

「私もリナさんの優しくしてもらえると嬉しくなっちゃいます~」

???:

「ミチルちゃん。いつでもこの世界に来てね。私待ってるわ」

ココナ:

「私もお待ちしています」

ミチル:

「はい!私もリナさんとココナちゃんともっと一緒にお散歩したいです~」

???:

「ええ、一緒にね!」


GM:ある日ミチルがリナの世界を訪れる

GM:だが、ミチルが見たものは全然別の世界です。

GM:常に暗くてネオンが輝く世界。あの青く滲んだ世界とはまるで違います。

GM:そんなところで、いつも目が覚めます。

GM:目覚めると夢の内容はぼんやりしていてよく覚えていません

GM:そんな感じでミチルは起床します

ミチル:

「う~ん...もう朝ですかぁ?」

GM:朝です。

ミチル:

「昨日はリナさんとココナちゃんに会いに行って...あれ?どうしたんでしたっけ?」

ミチル:

夢なのか現実(?)なのかもよくわかってない感じ

GM:リナやココナという単語もすぐに忘れてしまいます

ミチル:

起きてすぐ忘れちゃうカンジダ

GM:そして残るのは楽しかった思い出のみ

GM:なにが楽しかったのかはよくわかりません

GM:朝はやっぱぼんやりしてる感じかな?

ミチル:

朝弱いけどスイッチが入ると散歩モードになる感じ

GM:では、ミチルには楽しかった気持ちだけが残り続けています

ミチル:

「よーし!今日もお散歩しに行きましょ~!きっと素敵な出会いが待っているはず!」

GM:そうしてミチルはまた散歩に出かける。

GM:これは今よりも前なのかもしれない、曖昧な記憶。

レイの場合

GM:これは今よりも前、ネルと出会っていなかった頃の記憶。

GM:レイはガーディアンという組織に所属していて、ヒーラーの師匠がいます。

GM:まだまだ半人前のレイを鍛えていました。

GM:ヒーラーとしての腕も大分上がってきた頃です。

GM:今二人はガーディアンの治療室にいますね

リーシャ:

「レイ、人相手に回復魔法を使うコツ、だんだんわかってきたじゃないか」

レイ:

「はい…!最初は血を見るのも怖かったですけど…。やっと落ち着いて魔法をつかえるようになってきました…。」

リーシャ:

「最初の頃はちょっとした出血で驚いてたからな。だいぶ成長したようだ」

リーシャ:

「私は素直に嬉しいぞ」

レイ:

「えへへ…リーシャ様に褒められるなんて…嬉しいです」

リーシャ:

「我々の力はわかりやすい形で人のためになるものだ」

リーシャ:

「ま、役得というやつだな。だが感謝されるために回復魔法を使うわけではない」

リーシャ:

「何度も言ったからお前はわかってるだろう」

レイ:

「はい!リーシャ様。組織の目的の為に…私は力になりたいんです」

リーシャ:

「なるほど……そういえば私はお前に聞いてなかったな」

リーシャ:

「レイ、一つ聞く。お前はどういう理由があってヒーラーを目指したんだ?」

リーシャ:

「そして、どんなヒーラーになりたい」

GM:答えは今すぐ答えてもいいし、考えてもいいし保留にしてもいい

レイ:

「まだはっきりとした答えはでていません。でも…リーシャ様みたいに強くてやさしくて、皆を救えるような人になりたいんです。」

リーシャ:

「私みたいな、か。ふふ、あまり私のようにはならない方がいい」

レイ:

「えっ?どうしてですか?」

リーシャ:

「助けられなかった者のことを『仕方がなかった』と思うような女だぞ」

レイ:

「それは…でも…。そ、そう思わないと、耐えられません。きっと仕方のないことです…」

リーシャ:

「ヒーラーとしては割り切るのが正しい姿だと私は思う」

リーシャ:

「だがお前はどうなんだろうな、レイ」

レイ:

「…私は…私はだれも死なせたくありません…。甘い理想だとしても…。」

リーシャ:

「ああ、その気持痛いほどわかる」

リーシャ:

「私もかつてはそうだったからな」

リーシャ:

「だからお前には私のようにはならないで欲しいんだ。これは私の完全なエゴだがな」

レイ:

「リーシャ様は強いからこそ割り切れるのです。でも、リーシャ様がそうおっしゃるのなら…別の強さを探します。」

リーシャ:

「ふふ、良い答えだ。立派になったなレイ」

リーシャ:

「お前はすでに一人前だったようだ」

レイ:

「…!リーシャ様」

リーシャ:

「独り立ちしてもいい頃合いだろう。実力も十分だ」

リーシャ:

「これからは私の弟子ではなく、一人のヒーラーとして頑張ってくれ」

レイ:

「う。。。心細いですけど…いつまでもリーシャ様に甘えているわけにはいきません」」

レイ:

「が、がんばります…!」

リーシャ:

「期待している」

レイ:

「はい…!」

GM:では、ここで勢いよくドアが開く

レイ:

びくっ

ジーン:

「リーシャ!!ここにいたか!!」

リーシャ:

「なんだ騒々しい。静かにしろ」

ジーン:

「緊急事態なんだよ!ああ、経緯を説明してる暇はないから端的に言うぞ!」

ジーン:

「信仰の世界に異変が起きてる。早くなんとかしないとマズい」

リーシャ:

「信仰の世界?何が起きた」

ジーン:

「状況はまだよくわからない。だが管理人の命が危ないかもしれない」

リーシャ:

「……! わかった」

ジーン:

「俺は先に行ってるからな」

GM:そう言ってジーンは部屋を出ていく

レイ:

「リーシャ様…!」目くばせする

リーシャ:

「……行くしかあるまい」

リーシャ:

「覚悟はできているか?」

レイ:

「はい…!」

リーシャ:

「よし。行こう」

ネルの場合

GM:これは今よりも前、レイと出会っていなかった頃の記憶。

GM:ネルは信仰の世界で管理人をしています。

GM:ある日デコイ同士が信仰の違いから小さな小競り合いを起こしていました

キノコデコイ:「おい、おまえら!俺たちが信じるものを馬鹿にすんのも大概にしておけよ!!」

タケノコデコイ:「舐めるな若造。我々の信仰こそが唯一正しいものだ」

キノコデコイ:「はあ?てめふざけんなよ!?」

タケノコデコイ:「やるか……?」

GM:こんな感じで言い争っています。

GM:ネルはそんな場面に遭遇しますね。

ネル:

「なにやら怒声が聞こえてきましたがなにかありましたか!?」

タケノコデコイ:「む、ネル様ではないか。こやつらが我々の信仰の邪魔をするのだ」

キノコデコイ:「だから邪魔してんのはお前らだろーがよ!!」

ネル:

「邪魔…?信仰は各々が自身の信じたいものを信じるのがここのルールですよ?」

ネル:

「他者の信仰を邪魔するのはルール違反です」

キノコデコイ:「ネル様!!俺らは邪魔なんかしてねぇよ~~!こいつらが!!」

タケノコデコイ:「な!?我々の信仰を否定するのですか!?」

GM:埒が明きませんね

ネル:

「はあ、仕方がない… 他者の信仰に口を出したくなるのも信者の性」

ネル:

「そんな方たちのために専用の場を用意しています。あなたたちはそこで論争を続けてください!」

キノコデコイ:「えっ」

タケノコデコイ:「えっ」

ネル:

「あなたたちを信仰大戦の地ラグナロクに送ります!」

キノコデコイ:「ひぇ~~~」

タケノコデコイ:「ぎゃ~~~」

GM:かっこよく送っちゃってください

ネル:

それではネルは愛用の杖を掲げると、その場に風が吹き荒れデコイ二体を空高く吹き飛ばします

GM:では業風によってデコイたちは戦地に吹き飛ばされる!

GM:ひとまず一件落着です。

ネル:

「ふう…信じたいものを信じていればいいのになんで人にそれを強要するんだろう…」


GM:ではそれから数日後のこと。

GM:ネルが戦地ラグナロクに様子を見に行きます

GM:すると、なにやら明らかに軍勢が多いのを目撃します

GM:きのたけ以外にも関係ないデコイやアバターまで参戦しています

GM:ネルはどうする?

ネル:

まずは様子見、勢いのない人に状況を聞いて判断しますかね

GM:では争いを見ていたデコイに話を聞けます

ウサギデコイ:「うわぁあ~日に日に激しくなってるぅ~」

ネル:

「すみません、あの軍勢はいったい…?あそこまで大きな勢力はなかったはずですが…」

ウサギデコイ:「あっネル様!」

ウサギデコイ:「なんだかぼくもよくわかんないんですが、どんどん人やデコイが集まってきたんです」

ウサギデコイ:「さいしょはきのことたけのこが争ってたんですけど……なんでだろう」

ウサギデコイ:「みんな目の色変えて怒ってるんだ。こわい」

ネル:

「そうですか…ありがとう、ここは危ないから他者の信仰の邪魔をしないなら自分の住処に帰っていいですよ」

ウサギデコイ:「はい!ネル様も気をつけてくださいね!」サッと掛けてゆく

GM:軍勢を見ると、どうもみんな争うために争っています

GM:理性がなくなってしまったと表現してもいいかもしれない

ネル:

「あの人たちは自分の信じるもののために戦っていたはずじゃ…?話、聞けるかな…?」

GM:聞けるような状態ではないですね

ネル:

「仕方ない、まずはいったんこの騒ぎを止めないと」

GM:なおネルが見てる傍からどんどんデコイが増えていきます

GM:あんなにデコイを作ったか?ってくらい増える

ネル:

「信仰の世界にこれだけのデコイが…?ううん、今は考えるのは後!」

GM:管理人に出来ることは一つだけだ!

ネル:

「ファナティレイビリース、力を貸して!」

ネル:

帽子解放をしようとします

GM:ではネルが帽子解放しようとすると、突然全身に強烈な不快感が襲う

GM:なにか強い負の感情をぶつけられているような感覚です

ネル:

「うっぐ…?なに、こ、れ…」

GM:ネルの頭の中にかすかな声が響く

声:「いやだ……いやだ……」

ネル:

「だれ…なに…」

声:「いやだ……否定しないで……」

GM:声の主はネルにはわからない

ネル:

「ひ、てい…?」

声:「もう・・・いやだ・・・」

GM:ここで更に強い負の感情がネルの全身を支配します

GM:意識を保つのもやっと、立ってられる状態ではない

ネル:

「うぁ…」膝から崩れ落ちる

GM:ネルは意識を失います


GM:ではネルは再び声を聞きます

リーシャ:

「おい!!しっかりしろ!!大丈夫か!?」

ネル:

「だれ…否定って…?」相手のことがだれか分かっていません

リーシャ:

「気がついたか……」ホッとする

リーシャ:

「レイ、いきなり修羅場ですまないな」

レイ:

「はぁ…生きてる…よかった…」後ろで呼吸を整えている

ネル:

「すみません…ここ、は…?」

リーシャ:

「ああ、まだ起き上がるな。お前の状況は正直あまり良くない」

GM:ちなみに場所はラグナロクです。戦争はまだ収まってない

GM:回復魔法をかけてもらっただけの状態です

ネル:

「僕、どうなって……いや、それより、あのデコイ達は…」

リーシャ:

「ん?……これは」

リーシャ:

「……自分喰いになりかかっている」

レイ:

「…?自分喰い?」

ネル:

「自分、喰い…」

リーシャ:

「帽子が管理人に逆らって暴走する現象だ。帽子そのものが管理人を食う」

レイ:

「…?!」驚きで声をあげられない

リーシャ:

「討伐に成功すれば帽子を失うだけで済むが……そうじゃない場合は……」

ネル:

「!ああ、そうか…それじゃあ、あの声は…」

リーシャ:

「帽子は価値観を否定されると多くの負荷がかかる」

リーシャ:

「だが、お前、何をしたんだ……?」

リーシャ:

「普通にしていればそうそう発現することがないものだぞ」

ネル:

「おかしいな…信仰の世界の価値観は『世界に信なき行動なし』…みんなが自分の信じる行動をとっていれば価値観に反しないはずなのに…」

ネル:

「いや、あのデコイ達は自分の信じるもののために戦ってるような様子じゃなかった…あれが、原因……?」

レイ:

「…なんだか周囲のデコイの様子がおかしいですね…?いつもこの世界はこうなのですか?」

ネル:

「いや、普段はもっと小規模な戦いが多いんですけど…いつの間にかここの世界のデコイが全員集まってもかなわないような軍勢になってて…」

リーシャ:

「あの争いが原因なんだな?」

リーシャ:

「そして管理人のお前でも制御しきれない何かが……」

リーシャ:

「もしや……奴らか? いや、自分喰いの発現を止めるのが先だ」

ネル:

「いったい、なにを…」

リーシャ:

「お前、名前はなんと言った」ネルに向かって

ネル:

「ネル、です…」

リーシャ:

「ではネル。我々はあの戦いを鎮めてくる」

リーシャ:

「デコイの破壊は極力行わない。価値観が下がらないようにする」

リーシャ:

「だから少しだけそこで待っててくれ」

ネル:

「いや、僕も…」ふらふらと立ち上がろうとする

レイ:

「ダメです!」

レイ:

両肩をおさえてとめる

リーシャ:

「今力を使うと死ぬかもしれんぞ」

リーシャ:

「申し訳ないが大人しくしててくれ」

レイ:

「私たちに任せてください!」

ネル:

「っ……、すみません、お願いします……」

リーシャ:

「ここにはジーンもイズミもいる。奴らは強い。安心しろ」

リーシャ:

「よし、レイ。行くぞ!!」

レイ:

「はい!援護します!」


GM:リーシャ達の働きのお陰で戦争は無事静まります

GM:ネルの不快感も少しずつですが消え去って行きます

ネル:

(あの子、いやこの子か、もう大丈夫なのかな…)帽子に手をやりながら

GM:帽子はもう何も言いません。いつも通りです

ネル:

(どうか、この子の心に平穏がありますように…)

GM:ではここでレイとリーシャが戻ってきます

リーシャ:

「大丈夫か?ネル」

ネル:

「すみません、もう大丈夫です」

レイ:

「…よかった…」

リーシャ:

「自分喰いの兆候は治まったようだな」

リーシャ:

「ひとまずは安心だ」

レイ:

「でも…自分喰いの危機が完全に去ったわけではないのですよね…?」

リーシャ:

「そうだな、しばらく様子を見た方がいい」

ネル:

「あの、実はさっき声を聞いたんです。多分この子の」

ネル:

帽子に手をやる

レイ:

「声…?」

ネル:

「この子は『否定しないで』と言っていました。さっきのデコイ達が否定の原因だとしたら、また似たことがあれば…」

リーシャ:

「どうも今回の件はお前のせいではなく、仕組まれたものだったようだ」

ネル:

「仕組まれた?デコイを増やしたり意思を変えたりした誰かがいたということですか?」

リーシャ:

「そういうことになる。私はその件についてこれから調べようと思っている」

リーシャ:

「申し訳ないがしばらく留守にする」

リーシャ:

「レイ。その間にネルを見てやってくれないか?」

レイ:

「わかりました!ネル様、何か異変があればすぐにお知らせください」

ネル:

「えぇ!?でも、悪いですよそんな」

レイ:

「ネル様はいつ自分喰いがでるかわからない状況なんです…!そんなこと言ってる場合じゃないです!」

レイ:

「私、この世界に住みます…!」

ネル:

「うー…、はい…」

リーシャ:

「そうだな。一人前になったんだ。住むところも自由に決めていい」

レイ:

「あ……強引でごめんなさい…さっき…ネル様の意識がないとき…死んでしまうんじゃないかって…怖くて」

レイ:

「私…だれも死なせたくないんです…だから…」

ネル:

「…心配かけてごめんなさい……」

ネル:

「…じゃあ、これからよろしくお願いします!」

レイ:

「はい…!よろしくお願いします。」

ネル:

「じゃあレイさんの住むところを用意しないとね。どこがいいかなあ…」

レイ:

「あ、えっと…どこか空き家で良いですよ…!雨風しのげれば…」

リーシャ:

「餞別になにか送りたいところだが……すまん。金はない」

レイ:

「だ、大丈夫です…!なんとかします…」

ネル:

「それは大変!なおさらいい場所探さないと!」

ネル:

「そうだ、その前に一つ質問!」

レイ:

「?」

ネル:

「この世界に住んでいる人は誰でも絶対にこれだけは信じるって決めたものがあるんです」

ネル:

「あなたにとって一番大事な信じるものはなんですか…?」

レイ:

「一番……ですか。難しいですね…でも、常に心がけていることならあります!」

レイ:

「清貧に甘んずれば幸せになれる…贅沢な暮らしをしないで、慎ましくいきる。リーシャ様のもとでもいつも節約して生活していましたから。」

レイ:

「こんなことでも大丈夫でしょうか?」

ネル:

「はい!大事なのはレイさん自身がそれを信じていることです!

ネル:

「信仰の世界の管理人ネルはレイさんの滞在を歓迎します!」

レイ:

「ありがとうございます!」

レイ:

「リーシャ様…私、これからきっと見つけます。誰の命も諦めない強さを」

リーシャ:

「ふふ。弟子の巣立ちがこんなに早いとは思わなかった」

リーシャ:

「ネル。レイを頼むぞ」

ネル:

「はい!そちらもどうかお気をつけて!」

GM:これは今よりも前、レイとネルと出会った頃の記憶。

イズミの場合

GM:これは今よりも前、何故か忘れていた記憶。

GM:ここは温泉の世界です。

GM:温泉の世界には誰にも話を聞かれないような秘密会議にもってこいのお部屋があります

GM:そこにイズミの同僚二人がやってきます。

GM:彼らはリベレイターという組織の構成員。そしてイズミもその一人です

GM:どんな部屋ですかね?

イズミ:

温泉地の奥まった森の中、ひっそりたたずむ離れですね。

イズミ:

温泉は完備しておりますが、基本的には森の音しか聞こえません。

GM:では森のざわめきをBGMに秘密会議がはじまりました

デリック:

「で、話なんだがよ。イズミ、お前に頼みたいことがあるんだ」

イズミ:

「一応聞こうか。今度は何だい?」

デリック:

「今俺らがやってるプロジェクトがいい感じになってな」

デリック:

「そろそろ最後のシメに入ろうかと思って」

GM:イズミはプロジェクトの内容を知りません

イズミ:

「そのプロジェクトとやらの詳細は?」

イズミ:

「わからない事にはシメもクソも仕事もないよ」

ハンナ:

「仰るとおりですね。デリックは結論を急ぎたがる……」

ハンナ:

「私から説明しましょう」

ハンナ:

「結論から申し上げますと自分喰いの強制発現の実験です」

イズミ:

「はあ!?」

ハンナ:

「デリックと私の能力があれば実現可能ですよ?」

イズミ:

「そういう話じゃない。そういう問題じゃない」

イズミ:

「自分喰いが出たらどうなるのかお前たちは知ってるだろう!?」

イズミ:

「人が死ぬんだぞ!」

ハンナ:

「ですが、良いサンプルがありましたので」

デリック:

「自分喰いがどうやったら発現するのか、そのプロセスを解明するのは今後のこの世界の平穏にもつながるんだぞ」

イズミ:

「だがね、そのために誰を見殺しにするんだ?」

デリック:

「信仰の世界だ」

ハンナ:

「あそこは以前デコイ同士の抗争がありました」

ハンナ:

「それをもう一度再現するのです」

ハンナ:

「大量にデコイを『複製』すれば創造の苦痛を早められる」

デリック:

「そしてデコイの力を『増幅』してやれば一発だ」

イズミ:

「ふん、なるほどね。それで実験してプロセスがわかれば万々歳ってわけだ」

イズミ:

「冗談じゃないよ。世迷言は自分の世界で実験してから言いな」

ハンナ:

「協力していただけないと……?」

イズミ:

「できるわけないだろう!?お前たちもなんでそんな平然としてるんだ!?」

デリック:

「そりゃ今後の他の管理人の自分喰い化を止めるためさ」

デリック:

「そのために犠牲になる者が出るのは仕方ねえんだよ」

イズミ:

「一つ聞く。止める方法、今の段階であるのかい?」

デリック:

「実験は既にシメの段階に入ってると言っただろう」

デリック:

「ま、俺らの能力がなんらかの理由で止められない限りは」

デリック:

「確実に自分喰いが出る」

イズミ:

「自分食いが出た上でそれを止める方法ってのは?お前が代わりに食われるとか」

ハンナ:

「自分喰いを倒す以外に方法はありません」

ハンナ:

「その場合信仰の世界は消失しますが」

イズミ:

「つまりないってことか。」

ハンナ:

「ええ、そういうことです」

イズミ:

帽子解放してよろしい?

GM:いいですよ。帽子を取り上げて出禁にできます

イズミ:

じゃあ解放いたします

GM:おおおおおお

イズミ:

「そういうことなら、今すぐお前らの能力を止めてやるさ!」

イズミ:

問答無用でつるはしでぶっ飛ばします

デリック:

「ちょ!?はやまるなッ……!!」

ハンナ:

「くっ!?」

イズミ:

1秒後、そこにはデリックとハンナがうずくまっていた

イズミ:

イズミはデリックの背中に足をのせ、ハンナにはつるはしを突き付けている

イズミ:

「二度とその面私の前に出すんじゃないよ!!」

ハンナ:

「ぅぐッ……帽子解放されるとは……」

デリック:

「予想外の想定外だ……くっそ」

GM:帽子は取り上げる?

イズミ:

ぐずぐず言ってる二人からそっと帽子を取り上げます

イズミ:

「おとといきやがれ…!!!」

ハンナ:

「……!」

デリック:

「ミスったな、こりゃ……!」

GM:二人は温泉の世界から強制的に吹き飛ばされます

イズミ:

「ったく、私もヤキが回ったもんだ」

イズミ:

「しかし信仰の世界とか言ってたな、大丈夫か?」

イズミ:

イズミさんは帽子をなんとか結界の付いた保管庫に放り込みどうしようか考えています。

GM:そうですね、一時的になら帽子を保管できます

GM:そして帽子がない間は能力が使えません

イズミ:

つまり世界は平和になったと。しかしそれだけでは終わらない。

イズミ:

「あいつら、この騒ぎをいたるところで起こそうっってことか……」

イズミ:

「誰かに知らせないと、ほっといたら犠牲者が出かねない」

GM:ではイズミはリベレイターとは相反する思想で行動する組織、ガーディアンの存在に思い当たる

GM:ガーディアンの創設者リーシャはイズミとは知り合いです

イズミ:

「リーシャ……リーシャにとりあえず連絡を取ろう。」

イズミ:

「あいつどこにいるかな」

GM:夜の世界にある拠点の場所はわかるので直行できます

イズミ:

じゃあ直行します

GM:ではイズミは温泉の世界を出て夜の世界に急ぐ


GM:ではガーディアンの本部。あなたは現在リベレイターです

GM:ガーディアンの施設に入ることはリベレイターを裏切ることとほぼ同義です

イズミ:

全く躊躇なく飛び込みます

GM:では施設内であなたは一人の人物に出会う。これも知り合いです

ジーン:

「は?イズミ!?何でお前が……」

イズミ:

「ジーンか。リーシャいるかい?至急の用事だ」

ジーン:

「いやお前、要件を聞かないと会わせられないぞ」

ジーン:

「何があったんだ。お前がここに来るなんて」

イズミ:

「リベレイターのアホどもが自分食いを強制発現させようとしてる」

イズミ:

「人死に出したくなければさっさと取り次いでくれ」

ジーン:

「は?マジなのか?」

イズミ:

「じゃなきゃリベレイターやってた私がここに来るわけないだろう?」

ジーン:

「……緊急を要するんだな?」

イズミ:

「数日中に信仰の世界がつぶれるかもしれない」

ジーン:

「わかった。今すぐ信仰の世界に行こう」

ジーン:

「だが取り次ぐ暇はない。直接信仰の世界に行ってくれ。後からリーシャと追いかける」

イズミ:

「待ってくれ あいつらの手口を伝えたい」

ジーン:

「なんだ」

イズミ:

「『大量にデコイを『複製』すれば創造の苦痛を早められる』『そしてデコイの力を『増幅』してやれば一発だ』」

イズミ:

「あいつらはそう言ってた」

イズミ:

「目的は、自分食いの発現プロセスの解明だそうだ。いいかい、リーシャにちゃんと伝えるんだよ」

ジーン:

「わかった。ありがとうイズミ」

GM:ジーンは走り去っていきます

イズミ:

それじゃ信仰の世界に行こうかな

GM:では信仰の世界へ


GM:信仰の世界、戦地ラグナロク

GM:イズミが想像した以上にデコイが大量にいてお互いに戦争状態です

イズミ:

「……(ここは私の世界じゃない。これ相手にできるのか…?)」

イズミ:

「(それにデコイを吹っ飛ばしたら価値観が下がるはず)」

イズミ:

しかしながらイズミはイズミなので結局デコイに突っ込んでいきます

イズミ:

ある程度減らしてぶん殴ったら少しは言うこと聞くといいなという希望的観測によって。

GM:では容赦なくデコイを吹っ飛ばすイズミ!大きな砂煙が上がりいくつかのデコイが倒れる!

ジーン:

「ああああああイズミなにやってんだお前えええ!!」

イズミ:

「っっと、遅かったね」

GM:ジーンが遅れてやってくる

ジーン:

「リーシャに説明もしないまま来たよ!こうなるかもしれないって思ったから!!」

イズミ:

「しろよ!!!!!」

ジーン:

「説明してる暇なんてないだろ!?」

ジーン:

「とりあえず下手に価値観が下がるような行動は謹んでくれ」

イズミ:

「目の前の光景がすべてだよ!」デコイを華麗にぶっ飛ばす

ジーン:

「ぎゃああああ」

GM:イズミは華麗にデコイ共をふっとばしていく

GM:実際のところ、増えたデコイを倒すのは価値観の安定につながる行為です

GM:なので問題はないのですが、二人はそれを知りません

イズミ:

増えすぎた髪を梳く様にデコイを蹴散らしていきます。

イズミ:

ちょっと悪いかなとは思ってるけど他にどうしようもない。

ジーン:

「ああもう、俺もやってやるよ!」

イズミ:

「やっと覚悟が決まったかい!来な!」

GM:ではしばらくデコイの数を減らしてると

リーシャ:

「おお、やってるな」

イズミ:

「リーシャ!!!!」

リーシャ:

「自分喰いの発現……やはりリベレイターの仕業か?」

イズミ:

「そうだよ!本当は説明するつもりだったのにジーンのやつがっ!」

ジーン:

「うるせー!俺も必死なんだよ!!」

イズミ:

「言われたことくらいちゃんとやりな!!!」

リーシャ:

「こいつ脳筋だからな……仕方あるまい」ジーンを見る

リーシャ:

「イズミ、蹴散らしながらでいいから事情を聞かせろ」

GM:ということでイズミはリーシャに説明しました

GM:時短

イズミ:

華麗にデコイを吹っ飛ばしながらがんばりました

リーシャ:

「なるほど、複製か。ならば思う存分蹴散らすがいい」

リーシャ:

「奴らの帽子を取り上げたのだろう?次第に増幅の方も収まるだろうさ」

GM:ということで3人+後方支援のレイは暴走状態のデコイの鎮圧に成功します

GM:デコイたちは大人しくなり、暴走状態も収まり俺何してたんだ?みたいな顔をしている

イズミ:

「やれやれ、やっとひと段落か。…」

ジーン:

「はー久々に暴れた」

ジーン:

「やっぱイズミすげえな」

イズミ:

「あんたも役に立ってたよ。他人の世界だっつのに」

ジーン:

「俺もお前と同じ脳筋だからな」

イズミ:

「人を脳筋みたいに言わないでくれるかい?」

リーシャ:

「大丈夫か二人共」

イズミ:

「ああ、なんとか」

リーシャ:

「ま、イズミは大丈夫だろうと思っていた。私は管理人の様子を見てくる」

イズミ:

「あとで話せないかい?」

リーシャ:

「ああ。では本部で待っているといい」

イズミ:

「わかった。待ってるよ」

イズミ:

じゃあイズミさんはジーンの角をくいっとしてから本部に飛びます

イズミ:

大丈夫折れてないですよー

ジーン:

「おい!何すんだ!おちょくりやがって!」

イズミ:

「本部に戻るよ。リーシャに離さないといけないことがあるんでね」

イズミ:

話すっ!

ジーン:

「ああ、わかったよ」


GM:では信仰の世界の事件が終わったあとのガーディアン本部

GM:一応お客様なので応接室的なところにイズミは通されます

リーシャ:

「すまん、待たせたな」

イズミ:

「おうとも」

リーシャ:

「早速だが話ってのはなんだ?」

イズミ:

「リベレイターが自分食いの発現の実験をしている。さっきの信仰の世界みたいに」

イズミ:

「あいつらの帽子を取り上げてるから一応収まっちゃいるが、私の世界にいつまでも保管はできないし、取り返しに来る可能性だってある」

イズミ:

「次のターゲットは誰かわからない。対策を考えたい。」

リーシャ:

「……一つ聞く」

リーシャ:

「お前はリベレイターだったのではないか?」

リーシャ:

「いや、この施設に入ったということは足を洗ったということなのだろうが」

イズミ:

「人殺しに手を貸すつもりでリベレイターになったつもりはない」

イズミ:

「いかに大儀があろうが、誰かを犠牲にしなきゃならないならそれは間違ってる。ましてや無関係な管理人を。」

リーシャ:

「それで?我々の仲間になりたいと?」

イズミ:

「別にそういうわけでもない。あんたたちの目的もリベレイター同様よくわからないからね。」

イズミ:

「ただ、私はこの無体を止めたい。犠牲者を出したくない。それだけだ。」

リーシャ:

「志は同じだが共につるむことはできない、と」

リーシャ:

「なるほどお前らしい」

イズミ:

「だが、あんたなら力になってくれると思ってる」

イズミ:

「リベレイターの理念自体は少しは理解できる。ただ、手段が間違ってる。」

イズミ:

「それなら手を貸すわけにはいかないんだ」

リーシャ:

「組織に属しなくとも協力者はいる。そういう立場でいいなら用意してやろう」

イズミ:

「それで構わない。何か、何か手立てがあれば。私からも解る分は情報を提供しよう。」

リーシャ:

「私もあいつらには正直呆れている。アホだ」

リーシャ:

「協力感謝しよう」

イズミ:

「アホとは酷いな、さっきまで私もそこにいたんだが」笑ってる

イズミ:

「まあ同感だ。」

リーシャ:

「では今後何かあったらいつでも来てくれ」

リーシャ:

「頼りにしている、イズミ」

イズミ:

「情報が入り次第来ることにしよう」

イズミ:

「頼りにしてるよ、リーシャ」


GM:ではイズミさんは温泉の世界に戻る?

イズミ:

帰ります

イズミ:

そして帽子の封を確認してひとっぷろ浴びたい

GM:では温泉の世界の入り口

GM:二人の人影がある

デリック:

「……よお」

イズミ:

「二度と来るなといったはずだ」

デリック:

「まだ入り口だろ?入ってねえよ」

イズミ:

「入り口でもうちはうちだ。私の前に姿を現すんじゃない」

イズミ:

「信仰の世界は酷い有様だったよ。あんた何の権利があってそんなことしたんだ?」

ハンナ:

「権利?そんなもの作ってしまえばどうとでもなるものです」

イズミ:

ぶっ飛ばしてサヨナラしていいですか?

GM:ではイズミがぶっ飛ばそうとしたとき

GM:ハンナが手のひらに収まる大きさのクリスタルを掲げる

イズミ:

「?」

GM:そしてそれが強く光る

ハンナ:

「あなたには忘れてもらいます。不都合なので、色々と」

イズミ:

「なん、だって!?」

GM:眩い光を浴びてイズミは少しずつ記憶がなくなります

GM:信仰の世界に行ったこと

GM:リーシャとジーンに出会ったこと

GM:そしてデリックとハンナに会ったこと

イズミ:

「くっ…!」

ハンナ:

「帽子は後で組織のものに取りに行かせます……ああいや、盗むといったほうが正しいでしょうか」

イズミ:

「帽子…」

ハンナ:

「それではごきげんよう、イズミ」

デリック:

「じゃあな」

イズミ:

「待て、お前たち……」

GM:二人は背を向けて去っていきます

イズミ:

記憶が消えているので、行かせちゃいけない気がするのによくわからないまま見送っている

イズミ:

「……なんだったんだ。」

イズミ:

頭を振って宿に戻るよ。

GM:OK

GM:イズミは何事もなく――本当に何事もなくいつもの日常に戻った

GM:リベレイターにいたことも、ガーディアンに協力していたことも忘れて。

GM:これは今よりも前、何故か忘れていた記憶。